日本でしか表現出来ない恋愛感情

花に染む 2 (クイーンズコミックス)

最近のコミックは読んでいて疲れる事が多い。
刊数が進むにつれ、読まなくなる事が多くなった。
そんな中で、くらもちふさこ作品はやはりひと味違う。
くらもちふさこ作品に出会ったのはまだ小学生の頃。
あれから随分時は過ぎたけれど、時代に合わせて作品は進化している。
この作品は同じくらもちふさこの「駅から５分」という作品から
スピンオフしたもの。

登場人物も同じだが、視点が違う。
この作品だけ読んでもピンと来ないと思うが、
詳細を描く事でより本来の作品を際立てている。
幼なじみとの恋を描く舞台は「弓道」だ。
花に染む…は流鏑馬（やぶさめ）を得意とした
西行の歌からとったものだろう。
若い男女の恋愛感情がうまく日本古来の所作や間に現れていて、
読んでいて清々しい。悲しみも喜びもだ。
久々に発売を心待ちにしている作品たちだ。