国策としての建築

消えゆく同潤会アパートメント (らんぷの本)

消えゆく同潤会アパートメント (らんぷの本)

この本が新装版で出た事には意味がある。
同潤会といえば、関東大震災後に国が立ち上げた
住宅復興の国策だ。
今のようにまだ経済も発展していない、ネット社会でない日本は
国がきちんと専門家である建築のプロを選抜し、住宅を建てた。
もちろん国内だけでなく国外からの支援もあってのこと。
栄えたものは一度崩れると機能を停止する。
日本は栄えすぎた。
先日、被災地の宮大工の方が自分の家をプレハブで建てたと知った。
だれもが何でも出来ると思い込んでいる社会。
それは上辺だけの知識であり、経験ではない。
いまこそものづくりの出来る職人を見直すべきだと思う。